日本橋三越本店の「小杉小二郎展」へ行ってきました! | 三太・ケンチク・日記

日本橋三越本店の「小杉小二郎展」へ行ってきました!


家人に誘われて、日本橋三越本店で開催されている「小杉小二郎展」へ行ってきました。家人がどうして招待券を持っているのかは、よく分かりません。たぶん、婦人大学?の関係でいただいたものだとは思うのですが。小杉小二郎、聞いたことがあるけど、どんな絵を描く人か、まったく分かりませんでした。花や静物、玩具をモチーフにパリのエスプリ優しい画風で人気が高い画家だということのようです。さすがは日本橋三越本店で催すだけのことがある画家のようです。小杉小二郎、略歴を見ると、家系が凄い。そうそうたるものです。恵まれています。美術史家小杉一雄を父に持ち、祖父は画家小杉放庵叔父は有名な工業デザイナー小杉二郎という芸術一家に生まれました。こういう環境にいれば、幼い頃から絵を描くようになるのも当然でしょう。


「窓辺の花と果物」

「緑壺の花」


小杉小二郎は、若い頃、一度は工業デザイナーの道に進みましたが、中川一政の絵に衝撃を受け、画家を志します。一政の元で絵を描き始めた小二郎は、1970年26歳の時に一政の渡仏に同行します。一度は帰国したものの、すぐにパリに留学、以後35年にわたりパリに画家としての拠点を移し、フランスと日本を行き来しながら独自の画風を確立しました。今回、展示してある風景画もほとんどがパリ、または、その近郊の風景です。絵画は、派手さはなく、静物や風景を中心として単純化した対象を微妙な色使いによって表現、マットな質感をもった画面は、微妙な静寂感詩的空間を醸し出しています。


「1946年の食卓」

「奇妙なカップル」


展示されている作品は絵画だけではなく、コラージュオブジェガラス絵など、全部で約130点もの作品を見ることができました。コラージュにはいいものがありました。古いコンパスや、シャベルのような古びた工具類に、鮮やかな色を乗せて描いた作品に興味を持ちました。また、新作の「百人一首」もなかなか面白い試みだと思いました。たぶん、絵画だけの展覧会だったら退屈したでしょう。でも、絵画以外で見るべきものが多いと感じました。彼はまだ還暦を過ぎたばかりです。小杉小二郎の世界、さすがは「大人のためのメルヘンを感じさせる作家」と言われる由縁です。


小杉小二郎の祖父は、日本画家小杉放庵。日光・輪王寺、二荒山神社、東照宮へ向かう道、金谷ホテルを通り過ぎ、神橋を左手に見て橋を渡り、右側に「小杉放庵記念日光美術館 」があります。